2026年9月07日

ー日光角化症とはー
日光角化症(にっこうかくかしょう)は、長年にわたって紫外線を浴びることで生じる皮膚の病変で、有棘細胞癌につながる可能性のある「前がん病変」の一つです。特に高齢の方に多く、顔や耳、頭部、手の甲など、日光を浴びやすい部位に発生します。
初期には、小さな赤みや褐色のシミのように見えることが多く、表面がカサカサ、ザラザラしたり、硬いかさぶたのようになったりします。見た目ではあまり目立たなくても、触るとザラザラした感触があることも特徴です。
自覚症状がないことも多いため、加齢によるシミや肌荒れと思って見過ごされることがあります。一方で、かゆみやヒリヒリとした感じ、痛みなどを伴う場合もあります。
日光角化症のすべてが皮膚がんへ進行するわけではありませんが、一部は有棘細胞癌へ進行する可能性があります。そのため、早期に発見し、適切に診断・治療することが大切です。
治療には、液体窒素療法、塗り薬、外科的切除などがあり、病変の数や大きさ、部位、状態などに応じて適切な方法を選択します。
長年日光を浴びてきた顔や頭部、手の甲などに「治らない赤みやかさぶたがある」「触るとザラザラする部分がある」といった変化に気づいた場合は、皮膚科へご相談ください。
ーこんな悩みありませんか?ー

「シミだと思っていた部分がザラザラしてきた」
「何か月も治らない赤い斑点がある」
「かさぶたのようなものを取っても、また繰り返してしまう」
「顔や手の甲に硬くなった皮膚がある」
「年齢のせいだと思っていたけれど、少しずつ大きくなっている」
そんなお悩みはありませんか?
日光角化症は、長年の紫外線によるダメージが蓄積することで発症する病気です。初期にはシミや乾燥肌、湿疹と見分けがつきにくいこともありますが、皮膚がんへ進行する可能性があるため注意が必要です。
ー原因は?ー

日光角化症の主な原因は、長年にわたる紫外線の影響です。紫外線を繰り返し浴びることで皮膚の細胞にダメージが蓄積し、細胞の遺伝子に異常が生じることで発症すると考えられています。特に、屋外で仕事をすることが多い方や、長年スポーツや農作業などで日光を浴びてきた方は発症しやすい傾向があります。また、加齢によって皮膚の修復機能が低下することも発症に関係しています。
色白の方や紫外線に弱い肌質の方では発症リスクが高くなるとされており、日頃から帽子や日焼け止めなどで紫外線対策を行うことが予防につながります。
主な原因・リスク因子
- 長年にわたる紫外線曝露
- 加齢
- 色白の肌質
- 屋外で過ごす時間が長い
- 紫外線対策が不十分
ー主な症状ー
特徴
日光角化症は、初期には小さな赤みや茶色い斑点として現れます。表面がザラザラしていたり、硬いかさぶたのようになったりすることが多く、触ると皮膚の変化に気づく場合もあります。
進行すると病変が少しずつ厚くなり、盛り上がったり、潰瘍(ただれ)を伴ったりすることがあります。痛みやかゆみなどの自覚症状がないことも多く、気付かないまま経過するケースも少なくありません。
できやすい部位
日光角化症は、紫外線を浴びやすい部位に多く発生します。特に顔や耳、頭皮、手の甲などにみられ、高齢の方では複数の病変が同時にみられることもあります。
症状
初期はシミや湿疹のように見えることもありますが、時間の経過とともに皮膚が厚くなり、ザラザラした感触やかさぶたを伴うようになります。病変が治ったように見えても再び同じ場所に現れることがあり、放置すると一部は有棘細胞がんへ進行する可能性があります。そのため、「なかなか治らない」「少しずつ大きくなっている」と感じる皮膚の変化がある場合は、早めの受診が大切です。
ー日光角化症の検査・診断ー
日光角化症の診断は、病変の色・形・表面の状態・大きさなどを詳しく観察します。確定診断のためには皮膚生検(病理検査)が必要な場合があります。病変の一部を採取して顕微鏡で確認し、がん細胞の有無や進行度を判断します。
見た目が似ている疾患として、
- 脂漏性角化症(老人性イボ)
- ボーエン病(表皮内がん)
- 基底細胞癌
- 老人性色素斑(シミ)
- 湿疹
- 皮膚炎
などがあります。自己判断は危険なため、気になる症状がある場合は必ず皮膚科を受診してください。
ー治療についてー

液体窒素療法(凍結療法)
比較的小さな病変や初期の日光角化症では、液体窒素を用いた凍結療法が広く行われています。病変部に液体窒素を当てて異常な細胞を凍結・壊死させ、正常な皮膚への再生を促す治療です。
外来で短時間に行えるため、身体への負担が少ない治療法の一つです。治療後は一時的に赤みや腫れ、水ぶくれ、かさぶたができることがありますが、多くは時間の経過とともに改善します。病変の大きさや深さによっては、十分な効果を得るために複数回の治療が必要になることもあります。
外用療法
病変が広い範囲にみられる場合や、複数の病変がある場合には、塗り薬による治療を行うことがあります。異常な細胞を取り除いたり、皮膚の免疫反応を利用して病変を改善したりする薬剤が使用されます。
治療中は病変部に赤みや炎症、かさぶた、ヒリヒリ感などが現れることがありますが、これは薬が作用している反応であることが多く、医師の指示に従って治療を継続することが大切です。病変の状態や範囲に応じて適切な薬剤を選択します。
手術
病変が大きい場合や、皮膚がんへの進行が疑われる場合には、病変を切除する手術を行うことがあります。病変を完全に取り除くことで再発のリスクを減らすだけでなく、切除した組織を病理検査に提出し、日光角化症であるか、有棘細胞がんへ進行していないかを詳しく確認することができます。病変の大きさや部位によって切除方法は異なりますが、局所麻酔で行えることが多く、比較的身体への負担が少ない治療です。
紫外線対策・再発予防
日光角化症は、長年の紫外線ダメージの蓄積によって発症するため、治療後も紫外線対策を継続することがとても重要です。一度治療しても、新たな病変が別の場所に生じることがあるため、日頃から予防を意識することが大切です。
外出時は日焼け止めを使用するほか、帽子や日傘、長袖の衣類などを活用し、できるだけ紫外線を避けるようにしましょう。また、治療後も定期的に皮膚の状態を確認し、気になる変化があれば早めに受診することで、再発や皮膚がんへの進行を防ぐことにつながります。
ー受診の目安ー

以下のような症状がある場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。
✓ザラザラした皮膚が続いている
✓シミのような部分が厚くなってきた
✓赤い斑点が何か月も治らない
✓かさぶたを繰り返している
✓少しずつ大きくなっている
✓顔や手の甲に気になる皮膚の変化がある
「年齢によるシミだから大丈夫」「そのうち治るだろう」と思っていても、日光角化症が隠れていることがあります。
日光角化症は早期に発見し治療を行うことで、皮膚がんへの進行を防げる可能性があります。紫外線を浴びる機会が多い方や、高齢になってから気になる皮膚の変化が現れた方は、自己判断せず皮膚科へご相談ください。
