2026年4月07日

ー蕁麻疹とはー

蕁麻疹(じんましん)とは、皮膚の一部が突然赤く盛り上がり、強いかゆみを伴う皮疹が現れる皮膚の病気です。蚊に刺されたような膨らみ「膨疹(ぼうしん)」が特徴で、数十分~24時間以内に跡を残さず消えることが多い一方で、場所を変えながら繰り返し出現することがあります。
発症のきっかけはさまざまで、食べ物や薬に対するアレルギー、ストレス、疲労、温度変化、発汗などが関与することがあります。原因がはっきりしている場合は、原因を取り除くことで改善することが多いです。またアレルギー検査や採血検査を行い隠れた原因を探すこともあります(保険適応)。しかし実際には、原因がはっきり特定できないケースもあり、「特発性蕁麻疹」と呼ばれることもあります。
症状は一時的なものから、数週間以上続く慢性的なものまで幅広く、日常生活に影響を及ぼすことも少なくありません。
子どもから大人まで幅広い年齢に起こり、一生のうちに一度は経験する方も多い、非常に身近な皮膚疾患のひとつです。
多くの場合は皮膚症状だけで治まりますが、まれに呼吸困難や血圧低下などを伴う「アナフィラキシー」という重篤なアレルギー反応に発展することがあります。症状が強い場合や、のどの締め付け感・息苦しさを感じる場合は、速やかに医療機関を受診してください。
ーこんな悩みありませんか?ー

「突然体中がかゆくなって、赤いミミズ腫れが出た」
「何度も繰り返してつらい」
「原因がわからなくて不安」
「疲れているときに出やすい」
「お風呂に入った後や汗をかいたときに出る」
「特定の食べ物の後に症状が出る気がする」
「かゆみが強く夜間に眠れない・仕事や日常生活に集中できない」
そんなお悩みはありませんか?
何らかのきっかけに気づくこともありますが、原因が分からず不安に感じている方も多くいらっしゃいます。
また、突然皮膚がかゆくなり、赤く盛り上がる発疹が出て驚いた経験はありませんか。しばらくすると自然に消えるものの、また別の場所に現れる、そのような症状を繰り返している場合、蕁麻疹の可能性があります。こうした状態が続く場合は、早めの対応が大切です。
ー原因は?ー

蕁麻疹は、皮膚の中にある肥満細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出されることで起こります。これにより血管が拡張し、皮膚に赤みや腫れ、かゆみが生じます。
原因として考えられるものには、以下のようなものがあります。
・食べ物(魚介類、卵、小麦、ナッツ、添加物など)
・薬剤(解熱鎮痛薬、抗生物質含め、原因になりうる薬剤はとても多いです)
・ストレスや疲労
・寒暖差や発汗、圧迫などの物理的刺激(コリン性蕁麻疹)(摩擦・圧迫・寒冷・温熱・日光など)
・感染症(風邪・虫歯・胃腸炎・副鼻腔炎など)
実際には原因が特定できない「特発性蕁麻疹」が最も多く、複数の要因が重なって症状が出ている場合もあります。全体の7割以上を占めるといわれています。ただし、原因がわからなくても治療はできますので、ご安心ください。
ー主な症状ー
蕁麻疹の症状は特徴的で、以下のようなものがみられます。
⊡膨疹(ぼうしん)
皮膚が赤く盛り上がり、地図状や円形など、さまざまな形に広がります。1つひとつの膨疹は数分〜24時間以内に消えるのが特徴ですが、次々と新しい場所に現れることがあります。
⊡かゆみ
強いかゆみを伴うことが多く、夜間に症状が強くなる傾向があります。掻くと症状が悪化することがあるため、できるだけ掻かないようにしましょう。
⊡急性蕁麻疹と慢性蕁麻疹
発症から6週間以内に治まるものを「急性蕁麻疹」、6週間以上繰り返すものを「慢性蕁麻疹」と呼びます。慢性蕁麻疹は原因が特定しにくく、長期にわたる治療が必要になることがあります。
⊡注意が必要な症状
のどの腫れ・息苦しさ・めまい・血圧低下などを伴う場合はアナフィラキシーの可能性があります。このような症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。
発疹は出たり消えたりを繰り返すのが特徴で、「朝はなかったのに急に出た」「気づいたら消えていた」といった経過をたどることが多くあります。同じ場所に長く残ることは少なく、時間の経過とともに別の場所に移動するように現れます。
ー検査・診断ー

蕁麻疹の診断は、主に問診と症状の経過をもとに行います。診察時には発疹が消えていることも多いため、いつ、どのような状況で症状が出たのかを詳しく確認することが重要です。
必要に応じて、以下の検査を行うこともあります。
・血液検査(アレルギーの有無、感染症・甲状腺疾患など他の原因の確認)
・アレルゲン検査(特定の食べ物や物質へのアレルギーを調べる)
ただし、すべてのケースで明確な原因が特定できるわけではありません。
症状が出ている期間や頻度をもとに、急性蕁麻疹か慢性蕁麻疹かを判断し、それぞれに応じた治療方針を検討していきます。
ー治療についてー

蕁麻疹の治療は、症状を抑え、再発を防ぐことを目的として行います。
抗ヒスタミン薬(内服薬)
治療の基本となる薬で、ヒスタミンの働きを抑えることで、かゆみや発疹を抑える働きがあります。症状が落ち着いても一定期間継続することで、再発の予防につながります。眠気が出にくいタイプの薬もあります。
ステロイド内服薬
抗ヒスタミン薬だけでは効果が不十分な重症例や、急性の強い症状に対して短期間使用することがあります。
生物学的製剤(オマリズマブ)
慢性蕁麻疹で抗ヒスタミン薬が効きにくい場合に使用される注射薬です。アレルギー反応に関わる物質に直接作用し、難治性の蕁麻疹にも高い効果が期待できます。(新橋駅前まつだ皮膚科、浅草駅前まつだ皮膚科でも行っている治療です。)
原因の回避
原因が明らかな場合は、その要因をできるだけ避けることが重要です。食べ物や薬、生活環境などを見直します。入浴や運動で体が温まると症状が出やすい方は、体の温めすぎに注意しましょ
生活習慣の見直し
ストレスや疲労をためすぎない生活習慣、睡眠不足などは症状を悪化させる要因となるため、規則正しい生活を心がけることが大切です。
症状の強さや経過に応じて、薬の種類や量を調整しながら治療を進めていきます。
ー受診の目安ー

「これくらいなら様子を見ても大丈夫かな?」と迷うことはありませんか?以下のようなサインがみられる場合は、早めに皮膚科へご相談ください。
✓赤いミミズ腫れと強いかゆみが突然現れた
✓発疹やかゆみを何度も繰り返している
✓市販の抗アレルギー薬を使っても改善しない
✓原因がわからず、不安が続いている
✓数日以上症状が長引いて、日常生活や睡眠に影響している
✓症状が徐々に強くなっている
⚠️以下の症状がある場合は緊急を要するので、すぐに救急外来への相談や救急要請を検討してください
✓のどの締め付け感・息苦しさがある
✓めまいや意識が遠くなる感じがある
✓顔や唇が急に腫れてきた
のどの違和感、息苦しさなどを伴う場合は、早めの受診が必要です。
蕁麻疹は適切な治療により症状をコントロールできることが多く、早めに対応することで悪化を防ぎやすくなります。「様子を見ても大丈夫か不安」と感じた段階でも、お気軽にご相談ください。
