2026年4月06日

ー尋常性疣贅(イボ)とはー

尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)とは、いわゆる「イボ」と呼ばれる皮膚の良性腫瘍で、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染によって生じます。子どもから大人まで幅広い年齢に起こります。このウイルスは、皮膚の小さな傷やささくれなどから侵入し、皮膚の表面で増殖することで、特徴的な盛り上がりを形成します。手や指、足の裏、顔など、日常的に刺激を受けやすい部位にできやすいのが特徴です。表面がざらざらとしており、よく見ると小さな赤黒い点々(血管が詰まったもの)が見えることがあります。
イボは自然に治ることもありますが、放置すると数が増えたり、他の部位にうつったり、家族にうつしてしまったりすることがあります。適切な治療を受けることで、再発を防ぎながら取り除くことができます。痛みはないことが多いものの、足の裏にできた場合には体重がかかることで押し込まれ、歩行時に痛みを伴うことがあります。
ーこんな悩みありませんか?ー

「指にざらざらしたできものができた」
「足の裏にタコのようなものがあって痛い」
「子どもの手or足にイボが増えてきた」
そんなお悩みはありませんか?
触るとざらざらしていたり、以前より少し大きくなっているように感じたりする場合、それはイボの可能性があります。
特に気づいたときよりも数が増えている、別の場所にも同じようなできものができてきた、という場合には注意が必要です。イボはウイルスによるもののため、気づかないうちに広がっていることがあります。イボは痛みがないことも多く、「そのうち治るかな」と様子を見ている方も少なくありません。
見た目や触り心地が気になるだけでなく、「人にうつるのではないか」と不安に感じる方も少なくありません。
また、「タコやウオノメだと思っていたら実はイボだった」というケースも多く、自己判断での処置はかえって悪化につながることがあります。気になるできものがあれば、まずは皮膚科で正確な診断を受けることをおすすめします。
ー原因は?ー
尋常性疣贅の原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染です。このウイルスは、皮膚のごく小さな傷口から侵入し、表皮の細胞に感染して増殖します。日常生活の中でできるささくれやひび割れ、乾燥した皮膚などが、感染のきっかけになることがあります。
また、プールやジム、温泉などの共有施設での接触や、自分のイボを触った手で別の部位に触れることでも、ウイルスが広がる可能性があります。
さらに、体調不良やストレス、疲労などによって免疫力が低下しているときや、皮膚が乾燥してバリア機能が弱まっているときは感染しやすく、治りにくくなることもあります。アトピー性皮膚炎などで皮膚が荒れている方も注意が必要です。感染してから実際にイボが現れるまで、数か月かかることもあります。
ー主な症状ー

尋常性疣贅(イボ)は、見た目や触った感触にいくつかの特徴があり、部位や進行の程度によって症状の現れ方が異なります。初期は小さな変化でも、徐々に広がることがあるため注意が必要です。
主な症状としては、以下のようなものがあります。
・皮膚がざらざらとした盛り上がりになる
・境界が比較的はっきりした小さなできものとして現れる
・少しずつ大きくなったり、数が増えることがある
・手や指、足の裏、ひざなどにできやすい
・色は肌色〜白っぽい、やや黄色や赤色がかって見えることもある
・押すと違和感や軽い痛みを感じることがある(特に足の裏)
⊡手・指にできるイボ
表面がざらざらとした、硬い盛り上がりが特徴です。よく見ると表面に小さな黒い点(毛細血管が詰まったもの)が見えます。爪の周りや爪の下にできることもあり、その場合は爪が変形することもあります。
⊡足の裏にできるイボ(足底疣贅)
足の裏にできるイボは、体重がかかるため皮膚の内側に向かって成長し、タコやウオノメのように見えることがあります。歩くときに痛みを感じることが多く、表面を削ると小さな黒い点が現れます。タコ・ウオノメとの区別が重要です。
⊡顔や首にできるイボ(扁平疣贅)
やや扁平で、肌色〜薄茶色の小さなできものが顔や首、手の甲などに多発することがあります。尋常性疣贅とは少し異なるタイプですが、同様にHPVが原因です。
ー検査・診断ー

尋常性疣贅の診断は、主に医師による視診と触診によって行われます。
できものの形状や表面の状態、発生している部位などを確認し、イボに特徴的な所見があるかを判断します。
さらに必要に応じて、ダーモスコピー(拡大鏡)を用いて詳しく観察することで、イボ特有の血管構造などを確認し、診断の精度を高めます。
見た目が似ている疾患として、
・タコ(胼胝)
・ウオノメ(鶏眼)(足の裏の場合)
・脂漏性角化症(老人性イボ)
・水いぼ(伝染性軟属腫)
・悪性腫瘍(まれに)
などがあります。自己判断で処置を行うのではなく、医療機関での診察を受けることが大切です。
ー治療についてー
尋常性疣贅(イボ)の治療は、症状の程度や部位に応じていくつかの方法を組み合わせて行います。主な治療方法は以下の通りです。
症状によっては治療に時間がかかることもありますが、継続して行うことで改善が期待できます。
液体窒素による凍結療法
最も一般的な治療方法です。イボを液体窒素で凍らせて壊死させ、徐々に取り除いていきます。1回で完全に除去できることは少なく、1〜2週間ごとに複数回の治療を繰り返し治療を行う必要があります。痛みや水ぶくれ、血豆などができることもあります。治療中はピリピリとした痛みを感じることがあります。
手術による治療
メスや電気メスを用いて切除する方法です。切って縫合する方法や、イボ剥ぎといって深く削るように切除する方法もあります。通常の皮膚腫瘍とは異なり、手術だけでは完治しないことも多く、残った病変に対しては液体窒素療法を行うこともあります。イボの体積を大幅に減らして治療を前進させることができます。
外用薬による治療
イボの角質を少しずつ溶かしてやわらかくする塗り薬(外用薬・サリチル酸など)を使用し、イボを少しずつ削りやすくしていきます。凍結療法と併用されることもあります。
内服薬による治療
症状や経過に応じて、免疫機能をサポートする内服薬を併用することがあります。
レーザー治療(自費診療の場合あり)
イボに対してVビームというレーザーを照射します。(保険適応外、浅草駅前まつだ皮膚科で行っています。)
自然経過での改善
免疫の働きにより自然に消失することもありますが、時間がかかることが多く、その間に増えたり広がったりする可能性があります。
また、治療を行ううえでの注意点として、
・無理に削ったり取ろうとすると悪化や拡大の原因になる
・継続的な治療が必要になることが多い
・早めに治療を開始することで広がりを防ぎやすい
といった点も大切になります。
ー受診の目安ー

手や足にできた小さなできものでも、「そのうち治るだろう」と様子を見てしまうことは少なくありません。しかし、尋常性疣贅(イボ)はウイルス性のため、放置することで徐々に大きくなったり、数が増えたりすることがあります。
以下のような場合は、受診を検討する目安となります。
✓見た目や触り心地が気になる
✓手や指にざらざらしたできものがある
✓足の裏に痛みを感じるできものがある
✓イボの数が増えてきた、他の部位にも広がってきた
✓子どもの手や足にイボができている
✓市販薬を使っても改善しない、または悪化した
✓タコ・ウオノメと思っていたが、なかなか治らない
✓できものが少しずつ大きくなっている
✓長期間変化がなく、自然に治らない
早めに医療機関で診断を受けることで、症状に応じた適切な治療を開始でき、悪化や拡大を防ぎやすくなります。
気になるできものがある方は、お気軽に当院へご相談ください。
