2026年7月29日

ー単純性血管腫とはー

単純性血管腫(毛細血管奇形、ポートワイン母斑)とは、生まれつき皮膚の毛細血管が増加したり拡張したりすることで生じる赤あざ(赤色母斑)の一種です。現在では「毛細血管奇形」と呼ばれることもあります。出生時から認められることが多く、皮膚にピンク色から赤色、赤紫色のあざとして現れます。大きさや形はさまざまで、小さなものから広範囲に及ぶものまであり、顔や首、腕、脚、体幹など全身のどの部位にもみられる可能性があります。
よく似た疾患で乳児血管腫(いちご状血管腫)と呼ばれる別の赤あざがあります。乳児血管腫は時間の経過とともに盛り上がるが強くなったり、自然に消退したりすることもあります。単純性血管腫は、隆起してくることは乳児血管腫よりも稀ですが、自然に消退することは少ないとされています。そのため、成長に伴って色が濃くなったり、病変部の皮膚が厚くなったりすることがあります。健康上の問題を起こさないケースも多くありますが、顔など目立つ部位にある場合は美容的なお悩みや心理的な負担につながることがあります。また、病変の部位や広がりによっては、まれに他の疾患との関連がみられることもあるため、正確な診断を受けることが大切です。
近年ではレーザー治療の進歩により、症状の改善が期待できるようになっています。気になる赤あざがある場合は、早めに皮膚科へ相談することをおすすめします。
ーこんな悩みありませんか?ー

「生まれつき顔に赤いあざがある」
「子どもの赤あざが成長しても消えない」
「以前より赤みが濃くなっている気がする」
「見た目が気になって人の視線が気になる」
単純性血管腫は、生まれたときからみられることが多く、成長しても自然に消えにくいことが特徴です。そのため、小さい頃はあまり気にならなくても、年齢を重ねるにつれて見た目が気になるようになることがあります。
特に顔や首など露出しやすい部位にある場合には、「写真を撮るのが苦手」「人前に出るのが気になる」といった心理的なお悩みにつながることもあります。また、お子さまの場合は保護者の方が「治療したほうが良いのだろうか」「将来残ってしまうのではないか」と不安を感じることも少なくありません。
ー原因はー
単純性血管腫は、胎児期の血管形成の過程で毛細血管に変化が生じることによって発症すると考えられています。正常な皮膚にも毛細血管は存在していますが、単純性血管腫では一部の毛細血管が通常よりも多く存在したり、拡張した状態になったりすることで、皮膚が赤く見えるようになります。
発症の詳しい仕組みはまだ完全には解明されていませんが、先天的な血管の形成異常によるものと考えられています。そのため、出生時から認められることがほとんどです。また、ご本人やご家族の生活習慣、妊娠中の食事や行動などが原因で起こるものではありません。感染症でもないため、他の人にうつることもありません。
単純性血管腫がみられる要因
・胎児期の血管形成の変化
・毛細血管の先天的な増加や拡張
・生まれつきの血管性病変
・感染や外傷によるものではない
・妊娠中の生活習慣とは関係がない
・他人にうつることはない
ー主な症状ー

特徴
単純性血管腫は、平らな赤あざとして現れることが特徴です。色調は淡いピンク色から鮮やかな赤色、濃い赤紫色までさまざまで、境界が比較的はっきりしていることが多くあります。生まれたときから認められることがほとんどで、成長しても自然に消えることは少なく、年齢とともに色が濃くなったり、病変部の皮膚が厚くなったりする場合があります。
また、乳児血管腫(いちご状血管腫)のように盛り上がることは少なく、皮膚表面は比較的なめらかな状態を保っています。
単純性血管腫の特徴
✓出生時からみられることが多い
✓平らな赤あざとして現れる
✓ピンク色〜赤紫色を呈する
✓自然に消えることは少ない
✓成長とともに変化することがある
部位
単純性血管腫は全身のどこにでもみられますが、特に顔や首に発生することが多いとされています。また、腕や脚、背中、胸部などにもみられ、片側だけに現れる場合もあれば、広範囲に広がる場合もあります。
主にみられる部位
✓額
✓まぶた周辺
✓頬
✓首
✓腕・脚
✓胸部・腹部
✓背中
症状
単純性血管腫そのものに痛みやかゆみが生じることはほとんどありません。しかし、成長とともに色が濃くなったり、病変部が目立つようになったりすることで、美容的な悩みにつながることがあります。
また、長期間経過すると病変部の皮膚が厚くなったり、表面がやや凸凹してくる場合もあります。
みられる症状・お悩み
✓赤あざが目立つ
✓成長しても消えない
✓色が徐々に濃くなることがある
✓皮膚が厚くなることがある
✓見た目が気になる
✓心理的な負担につながることがある
ー検査・診断ー
単純性血管腫の診断は、あざの部位・色・大きさ・生後からの経過・圧迫による退色の有無などを確認します。必要に応じてダーモスコピー検査を行い、血管の状態を詳しく観察することもあります。
広範囲の場合や合併症が疑われる場合は、総合病院を受診のうえ画像検査(MRI・CT)を行うこともあります。
見た目が似ている疾患として、
・乳児血管腫(いちご状血管腫=生後1か月頃から現れ、自然退縮する)
・毛細血管拡張症
などがあります。乳児血管腫は自然に消えることが多いため、単純性血管腫との区別が重要です。正確な診断のうえで適切な治療を受けることが大切です。
ー治療についてー

レーザー治療(Vビーム)
単純性血管腫の治療として最も一般的なのがレーザー治療です。血管に反応するレーザーを照射することで、異常な毛細血管を少しずつ目立たなくしていきます。病変の色や深さ、範囲によって効果には個人差がありますが、複数回治療を行うことで赤みの改善が期待できます。特に幼少期から治療を開始することで、より良い結果が得られる場合もあります。
浅草駅前まつだ皮膚科ではVビームを用いて多くのお子様・成人の方々の単純性血管腫治療を行っています。(保険適用)
経過観察
症状が軽度で日常生活への影響が少ない場合には、定期的に経過を観察することもあります。ただし、単純性血管腫は自然に消失することが少ないため、将来的な変化も考慮しながら治療の必要性を検討します。
治療後のケア
レーザー治療後には、一時的な赤みや腫れ、かさぶたなどが生じることがあります。色素沈着を防ぐためにも、保湿や紫外線対策をしっかり行うことが重要です。
ー受診の目安ー

以下のような症状がみられる場合は、皮膚科へご相談ください。
✓生まれつき赤あざがある
✓成長しても薄くならない
✓顔や首など目立つ部位にある
✓範囲が広い
✓色が濃くなってきた
✓治療を検討している
✓他のあざとの違いが分からない
単純性血管腫は自然に消えることが少なく、成長とともに色や見た目が変化することがあります。特に顔など目立つ部位にある場合は、早い段階で診察を受けることで治療の選択肢について相談することができます。
「治療が必要なのか知りたい」「まずは診断だけ受けたい」という場合でも、お気軽に皮膚科へご相談ください。
