2026年3月17日

ー脂漏性角化症とはー


脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)は、良性の皮膚腫瘍で、「老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)」「老人性いぼ」とも呼ばれています。主に顔や首、胸、背中などにできやすく、茶色や黒色の少し盛り上がったいぼのような見た目が特徴です。加齢とともに現れやすくなるため、中高年の方に多くみられますが、若い方にも生じることがあります。
表面はザラザラしていたり、少し厚みのあるかさぶたのように見えることもあります。大きさや形には個人差があり、小さなものから数センチ程度までさまざまです。
脂漏性角化症は基本的に良性の皮膚病変で、健康に大きな影響を及ぼすことはほとんどありません。しかし、見た目が気になる場合や、他の皮膚疾患との区別が必要な場合には、皮膚科で診察を受けることが大切です。
また、似たような見た目の皮膚疾患もあるため、自己判断せず気になるできものがある場合は皮膚科へ相談することをおすすめします。
ーこんな悩みありませんか?ー

「顔や首に茶色や黒色のいぼのようなできものができてきた」
「年齢とともにいぼのようなできものが増えてきた」
「できものの表面がザラザラしている」
「シミだと思っていたものが少し盛り上がってきた」
「大きさが少しずつ大きくなっている気がする」
「見た目が気になり化粧で隠しにくい」
「できものが気になるが治療が必要か分からない」
そんなお悩みはありませんか?
このような症状がみられる場合、脂漏性角化症(老人性いぼ)の可能性があります。
初めは小さなシミのように見えていても、時間の経過とともに少し盛り上がってきたり、数が増えたりすることがあります。脂漏性角化症は痛みやかゆみが少ないことが多く、気づかないうちに数が増えていることもあります。見た目が気になって外出やおしゃれが億劫になったり、「色や大きさが変わった気がする」と不安になったり化粧で隠しにくいと感じる方も少なくありません。
脂漏性角化症は加齢とともにできやすい良性の皮膚病変ですが、似たような見た目の皮膚疾患もあるため、気になる場合は皮膚科で診察を受けることをおすすめします。
ー原因は?ー
脂漏性角化症のはっきりとした原因は、現在のところ完全には解明されていません。しかし、主な要因として加齢による皮膚の変化が関係していると考えられています。
年齢を重ねるにつれて皮膚の細胞の増殖や代謝のバランスが変化し、角質が厚くなることで、いぼのような皮膚の盛り上がりが生じることがあります。その結果、茶色や黒色の盛り上がったできものとして現れるのが脂漏性角化症です。
また、次のような要因も関係していると考えられています。
・加齢による皮膚の変化
・紫外線の影響
・遺伝的な体質
・皮膚の摩擦や刺激
特に、顔や首、手の甲など紫外線を受けやすい部位にできやすい傾向があります。日頃からの紫外線対策が、予防や悪化防止につながります。また、家族に脂漏性角化症がある場合、同じようにできやすい体質の方もいます。
ー主な症状ー

日光を影響を受けるこめかみや首にできやすい皮膚腫瘍ですが、全身のどこにでも発生することがあります。
⊡見た目の特徴
表面がざらざらとしており、盛り上がっているのが特徴です。色は薄い茶色から黒色までさまざまで、時間とともに色が濃くなったり、盛り上がりが大きくなったりすることがあります。大きさは数ミリから数センチ程度まで幅があります。
⊡発生しやすい部位
顔(特に額やこめかみ)、頭皮、首、背中、胸、手の甲など、紫外線にさらされやすい部位に特に多くみられます。
⊡自覚症状
多くの場合は痛みやかゆみがありませんが、衣類などで擦れる部位にできた場合は、かゆみや出血が生じることがあります。また、炎症を起こして赤くなることもあります。
基本的には同じ皮膚疾患ですが、見た目や形、大きさなどの違いによっていくつかのタイプに分けて説明されることがあります。症状の現れ方には個人差があります。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 扁平型 | 皮膚からあまり盛り上がらず、シミのように見えるタイプです。初期の脂漏性角化症でみられることがあります。 |
| 隆起型 | 皮膚から少し盛り上がったいぼのような形をしており、最もよくみられるタイプです。 |
| 角質肥厚型 | 表面の角質が厚くなり、ザラザラしたりかさぶたのように見えることがあります。 |
| 色素沈着型 | 茶色から黒色の色が濃く、シミのように見えるタイプです。 |
脂漏性角化症は基本的に良性の皮膚病変ですが、見た目が似ている皮膚疾患もあるため、自己判断せず皮膚科で診察を受けることが大切です。
脂漏性角化症は基本的に良性の皮膚病変で健康に大きな影響はありませんが、見た目が気になる場合や、急に大きくなったり色が変化した場合には注意が必要です。
ー脂漏性角化症の検査・診断ー
脂漏性角化症は、主に皮膚にできた病変の見た目や特徴を確認することで診断されます。医師が患部の色や形、大きさ、表面の状態などを詳しく観察し、脂漏性角化症に特徴的な所見があるかどうかを確認します。
多くの場合は視診だけで診断できることが多いですが、似た見た目の皮膚疾患もあるため、必要に応じてより詳しい検査を行うことがあります。特に、色や形が不規則な場合や、急激に大きくなった場合などには、他の皮膚疾患との鑑別が重要になることがあります。
見た目がよく似ている疾患として、
・ほくろ(色素性母斑) ・メラノーマ(悪性黒色腫) ・基底細胞がん ・ウイルス性疣贅(扁平疣贅など他の種類のいぼ)
などがあります。診断が難しい場合は、皮膚の一部を採取して顕微鏡で調べる病理検査を行うこともあります。
| 検査方法 | 内容 |
|---|---|
| 視診 | 医師が皮膚のできものの色や形、大きさ、盛り上がり方、表面の状態などを確認します。脂漏性角化症には特徴的な見た目があるため、視診によって診断できる場合が多くあります。 |
| ダーモスコピー検査 | 拡大鏡(ダーモスコピー)を使用し、皮膚の構造を拡大して観察します。肉眼では確認しにくい細かな特徴を確認することができ、他の皮膚疾患との区別に役立ちます。 |
| 皮膚生検 | まれに診断が難しい場合や、他の皮膚腫瘍が疑われる場合には、皮膚の一部または腫瘍全体を採取して顕微鏡で詳しく調べることがあります。 |
脂漏性角化症は基本的に良性の皮膚病変であり、健康に大きな影響を及ぼすことはほとんどありません。しかし、似た見た目の皮膚疾患として、ほくろや皮膚がんなどが含まれる場合もあるため、自己判断せず皮膚科で診察を受けることが大切です。
ー治療についてー

脂漏性角化症は良性の皮膚腫瘍であり、必ずしも治療が必要なわけではありません。
しかし、見た目や症状によっては除去治療を行うこともあります。
治療方法は、
-
病変の大きさ
-
盛り上がり
-
発生している部位
などによって選択されます。ただし、以下のような場合には治療を検討します。
| 液体窒素(凍結療法) | 液体窒素でいぼを凍らせて破壊する方法です。治療時間は数秒~1分程度で、かさぶたのように黒く変色して少しずつ取れていきます。3~10回程度の回数がかかることが難点です。 |
| 手術(電気メス) | 局所麻酔をして電気メス(サージトロン)で削って取る方法です。傷跡や色素沈着が目立ちにくいこと、一回で取ることができることが利点です。 |
| 手術(切除)切除 | 病変が大きい場合や、他の皮膚腫瘍(特に悪性腫瘍)の可能性がある場合に行う方法です。局所麻酔をしてメスを使って切り取ります。 |
| 日常ケア |
紫外線対策(日焼け止め・帽子・日傘の活用)を日頃から行うことで、新たな脂漏性角化症の発生を抑える効果が期待できます。 |
当院では液体窒素による治療も日帰り手術の治療も行っています。お気軽にご相談ください。
ー治療例ー

ー受診の目安ー

脂漏性角化症は加齢とともに現れることが多い良性の皮膚腫瘍で、多くの場合は放置しても健康に問題はありません。
しかし、皮膚の変化の中には脂漏性角化症に似た別の病気が含まれていることもあるため、次のような場合には皮膚科での診察をおすすめします。
✓急に大きくなってきた場合
✓色や形が不規則な場合
✓出血・かゆみ・痛みがある場合
✓数が急に増えてきた場合
✓茶色や黒色のイボ状のできものが増えてきた
✓服やアクセサリーに引っかかる場合
✓見た目が気になって、生活や気持ちに影響している
脂漏性角化症は基本的に良性の皮膚病変ですが、似た見た目の皮膚疾患もあるため、気になる場合は皮膚科で診察を受けることをおすすめします。「なんとなく気になる」という段階でも、お気軽に当院へご相談ください。
