2026年3月16日

ー円形脱毛症とはー

円形脱毛症とは、突然円形または楕円形に髪の毛が抜けてしまう脱毛症の一種です。「10円ハゲ」と呼ばれることもあり、多くの方が一度は耳にしたことがある疾患ではないでしょうか。主に自己免疫の異常によって、体の免疫が誤って毛根を攻撃してしまうことが原因と考えられています。年齢や性別に関係なく発症する可能性があり、子どもから大人まで幅広い年代でみられます。日本では約1〜2%の方が一生のうちに一度は経験するといわれています。症状は1か所だけ小さく脱毛する場合もあれば、複数箇所に広がったり、まれに頭部全体の毛が抜けることもあります。多くの場合、適切な治療によって回復が期待できるため、気になる症状がある場合は早めに皮膚科を受診することが大切です。
ーこんな悩みありませんか?ー

「ある日突然、円形に髪の毛が抜けている部分を見つけた」
「10円玉くらいの脱毛斑ができている」
「脱毛している部分が徐々に広がってきている」
「脱毛が複数箇所に増えてきている」
「抜け毛が急に増えたと感じる」
「眉毛やまつ毛が抜けてきた」
「脱毛が気になり、人前に出るのが不安になっている」
「円形脱毛症かもしれないと心配している」
そんなお悩みはありませんか?
このような症状がみられる場合、円形脱毛症の可能性があります。
円形脱毛症は突然発症することが多く、初めは小さな脱毛でも、複数に増えたり範囲が広がることもあります。痛みやかゆみが少ないため、気づかないうちに進行していることもあります。また、「そのうち治るだろう」と放置してしまうと、脱毛の範囲が広がってしまうケースもあります。
また、症状の程度や進行の仕方は人によって異なり、早めに適切な治療を行うことで改善が期待できる場合も多いとされています。
気になる症状がある場合は、早めに皮膚科で相談することをおすすめします。
ー原因は?-

円形脱毛症のはっきりとした原因は、現在のところ完全には解明されていません。しかし、主な原因として自己免疫の異常が関係していると考えられています。
自己免疫とは、本来は細菌やウイルスなどの外敵から体を守るための仕組みです。しかし何らかのきっかけによって、この免疫機能が誤って毛根(毛包)を攻撃してしまうことがあります。その結果、毛の成長が妨げられ、突然髪の毛が抜けてしまうと考えられています。
また、円形脱毛症の発症には次のような要因も関係しているといわれています。
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精神的ストレス
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遺伝的な体質
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アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の合併
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ホルモンバランスの変化
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疲労や生活習慣の乱れ
これらの要因が単独で起こるというよりも、複数の要因が重なって発症するケースが多いと考えられています。
円形脱毛症は決して珍しい病気ではなく、子どもから大人まで誰にでも起こる可能性のある疾患です。
ストレスだけが直接の原因というわけではなく、体質や免疫のバランスが複合的に関わっています。「自分のせいで発症した」と自分を責める必要はありません。誰にでも起こりうる病気です。
ー主な症状ー

円形脱毛症の最も特徴的な症状は、突然円形または楕円形に髪の毛が抜けることです。境界がはっきりしており、脱毛部分の皮膚は一見正常にみえることが多いです。多くの場合、10円玉ほどの大きさの脱毛斑として見つかることが多く、痛みやかゆみなどの自覚症状がほとんどないことも特徴の一つです。
初めは1か所だけの小さな脱毛として現れることが多いですが、症状が進行すると脱毛の範囲が広がったり、複数の脱毛斑ができたりする場合もあります。また、重症の場合には頭髪全体が抜けてしまうケースや、まれに眉毛やまつ毛、体毛などが抜けることもあります。
多くの場合、元通り髪の毛が生えて回復しますが、稀に脱毛したまま永久的に生えてこないこともあります。
さらに、脱毛部分の周囲には「切れ毛」や「短く細い毛」がみられることがあり、これらは円形脱毛症の特徴的な所見とされています。
円形脱毛症は、脱毛の範囲や進行の程度によっていくつかの種類に分類されます。主な種類には次のようなものがあります。
| 種類 | 特徴 |
| 単発型円形脱毛症 | 円形脱毛症の中で最も多く、1か所だけ円形の脱毛がみられます。 |
| 多発型円形脱毛症 | 脱毛斑が2か所以上に増えるタイプです。複数の円形脱毛が同時に現れることがあります。適切な治療によって回復が期待できます。 |
| 全頭型円形脱毛症 | 脱毛が広がり、頭髪のほとんど、またはすべてが抜けてしまうタイプです。単発・多発型から進行して起こることがあります。 |
| 汎発型円形脱毛症 | 頭髪だけでなく、眉毛・まつ毛・体毛など全身の毛が抜ける重症タイプで、治療に時間がかかる場合があります。また、爪に変化(表面がでこぼこになるなど)が現れることもあります。 |
円形脱毛症は症状の程度によって治療方法が異なる場合があります。
ー円形脱毛症の検査・診断ー
円形脱毛症は、主に皮膚の状態や脱毛の特徴を確認することで診断します。
医師が頭皮や脱毛部分を視診し、脱毛の形や範囲、毛の状態などを詳しく確認します。
また、必要に応じて頭皮を拡大して観察したり、他の脱毛症との区別を行うために検査を行う場合もあります。
| 検査方法 | 内容 |
|---|---|
| 視診 | 医師が脱毛の形や範囲、頭皮の状態などを目で確認。 |
| トリコスコピー検査 | 拡大鏡(ダーモスコピー)で毛根や頭皮の状態を詳しく観察。 |
| 毛髪検査 | 抜け毛や毛根の状態を確認し、脱毛の原因を調べる。 |
| 血液検査 | 必要に応じて、自己免疫疾患や他の病気が関係していないか確認。(甲状腺疾患や貧血、亜鉛欠乏など、脱毛に関わる他の疾患を調べる。) |
似たような症状でも、男性型脱毛症(AGA)や他の皮膚疾患が原因のこともあるため、正確な診断が大切です。
ー治療についてー
円形脱毛症の治療は、脱毛の範囲や症状の程度、年齢などを考慮しながら行います。
軽症の場合は自然に回復することもありますが、症状が広がる場合や長期間続く場合には、医師の診断のもと適切な治療を行うことが大切です。
主な治療方法には次のようなものがあります。
| 治療方法 | 内容 |
|---|---|
| 外用薬(塗り薬) | ステロイド外用薬が広く使われます。頭皮の炎症を抑え、毛根への攻撃をやわらげる効果があります。。他にはカルプロニウム塩化物液、ミノキシジル外用(自費診療)を行うこともあります。 |
| 局所注射 | 脱毛部分にステロイドを注射し、免疫反応を抑える治療です。外用薬よりも高い効果が期待でき、単発型や多発型の方に行われることがあります。 |
| 内服薬 | 症状に応じて、免疫の働きを調整する薬などを使用することがあります。症状が広範囲にわたる場合や、外用薬で効果が不十分な場合に、ステロイド内服薬や免疫抑制薬が処方されることがあります。近年では、JAK阻害薬という新しいタイプの内服薬も使われるようになっており、重症の方にも効果が期待されています。 |
| 紫外線療法 | 専用の紫外線を照射することで、免疫の過剰反応を抑え、発毛を促す治療法です。通院しながら継続することで、効果が期待できます。 |
| 日常ケア |
頭皮を清潔に保ち、強くこすらないようにやさしく洗いましょう。ストレスをためすぎない生活習慣や、十分な睡眠も大切です。ウィッグや帽子を活用しながら、焦らず治療を続けることが症状の安定につながります。 |
円形脱毛症は症状の程度や進行の仕方に個人差があるため、患者さん一人ひとりの状態に合わせて治療方法を選択します。
脱毛が気になる場合は、早めに皮膚科を受診し適切な診断と治療を受けましょう。
ー受診の目安ー

円形脱毛症の治療期間は、脱毛の範囲や症状の程度によって異なります。
「これくらいなら様子を見ても大丈夫かな?」と迷うことはありませんか?
軽症の場合は数か月程度で自然に回復することもありますが、症状が広範囲に及ぶ場合や再発を繰り返す場合には、治療が長期間にわたることもあります。
また脱毛したところが永久に生えてこなくなることもある疾患であり、生えてくる様子がなかったり、脱毛が進む場合は早めに受診することをおすすめします。
円形脱毛症は、適切な治療を続けることで回復が期待できる病気です。症状の進行や回復のスピードに個人差があるため、定期的に経過を確認しながら治療を進めていくことが大切です。
「見た目のことだから」と遠慮せず、お気軽に当院へご相談ください。患者さまお一人おひとりの状態に合わせた治療をご提案いたします。
